こんばんは。ハルです。
ENEOS(5020)の紹介記事です。企業情報、決算結果、業績等々、ENEOSについての情報を備忘録としてアップデートしていく記事になります。
2022/02/11 初版記載
企業紹介
日本を代表するエネルギー・資源・素材企業グループ。
祖業は戦前までさかのぼり、1900年前後の石油会社や鉱山会社等が元になります。現在までに合併等を繰り返し、2017年に前身となるJXTGホールディングスとなり、2020年からENEOSホールディングスとなりました。エネオスはエネルギー(ENERGY)とネオス(NEOS ギリシャ語で新しい)の組み合わせによる造語です。
また、世界各国にグループ会社を持ち、東証に上場している子会社や、持分法適用会社も複数もつ大企業。ガソリン販売シェア国内第1位の約50%です。
- 時価総額:14,856億円(2022/02/10時点)
- 市場:東証1部(プライム市場)
セグメント構成

エネルギー事業
石油製品(ガソリン、灯油、潤滑油)の精製及び販売が主な事業。ガソリン販売シェアは50%で国内1位。他にも電気・ガスの供給や、石油化学製品等の製造販売も行います。全体に占める売上割合も80%近くでENEOSのメイン事業です。
金属事業
非鉄金属(主に銅)の採掘、精錬、加工を行う事業。全体に占める売上割合は15%ほどです。
石油・天然ガス開発事業
世界各地の産油・産ガス国で石油・天然ガスの採取、加工、貯蔵、売買、輸送を行う事業。全体に占める売上割合は1.5%ほどです。
業績

年によってばらつきがあるのは、石油価格等に大きく左右される事業モデルだからです。売上も大きく上下しますが営業利益や当期利益はそれ以上に幅が大きく、同じ売上で黒字になったり赤字になったりすることもあり、一株利益(EPS)で計算されるPER等の指標が読みにくい銘柄だなと感じました。
収益力・財務状況
- ROE:4.92%
- ROA:1.42%
- 自己資本比率:28.9%
- 有利子負債倍率:1.09倍
ROE 4.92%は前期実績であり、今期の通期業績では11%を超えそうです。中期経営計画でもROE10%以上を目標としており、この目標数値を超えている間は順調と考えられます。
同業のINPEX(1605)の自己資本比率60.2%、有利子負債倍率0.4倍のため、財務状況についてはもう少し改善してほしいなというのが個人的な感想です。
決算結果
決算概要

売上から利益すべての数字で前年を上回っていますし、通期業績における営業利益~当期利益の進捗はすでに100%を超えています。業績の上方修正をだしてもよさそうでしたが、資源価格変動リスク等により業績見通しは据え置きとなっています。
決算の注目点
注目点1 セグメント別業績

営業利益は前期比3倍近く、当期利益については前期比7倍以上の数字となっています。その理由についていくつか記載します。
1つ目が”在庫影響除き”の記載。
在庫影響とは、簡単にいうと前期に仕入れた安い原油と、今期に仕入れた高い原油が平均されることで今期出荷分の原価が安くなり、結果的に利益が増えた分を在庫評価利益とするそうです。
(※石油元売り会社は法律(石油備蓄法)により70日間分の石油を備蓄する必要があり、他の産業に比べ在庫の保有量が多く、世界情勢等のリスクにより原油価格の変動が大きいため、在庫影響という文言で実際の利益とのギャップを表現しているようです。)

今期は石油価格の上昇が起こっているため、在庫影響はプラス影響となっていますが、石油価格が下落した場合、逆の現象になることを意識しておく必要があります。
2つ目が石油・天然ガス開発、金属の伸びが大きいこと。
商社等もそうですが、今回の決算では資源価格の上昇が利益に結びついている企業が多いです。ENEOSも同様で、資源価格の上昇(特に銅)によりエネルギー事業以外の事業において利益が伸びています。
株価

長期で見ると2018年の終わり頃に900円を超えた時期もありますが、その後株価は下がり2020年頃からは350円から550円くらいのレンジで動いています。
PER5.4倍、PBR0.59倍は一般的には割安な部類になると思いますが、あくまで今期業績に対する数値ということを意識する必要があります。今期は石油価格や資源価格の高騰もあり過去業績の中でかなり良い業績のため、相対的に割安に見える状態となっています。
仮に前期のEPS35.5円の場合、PERは13倍ほどになり特段割安感はなくなります。そのため、現状の株価はENEOSにとって適正水準とも言えます。
- 株価:459.9円(2月9日 終値)
- PER:5.3倍
- PBR:0.56倍
- 過去一年の平均PER:10.9倍
株主還元
- 配当金:22円 前期は22円、2期前は22円
- 配当利回り:4.78%
- 配当性向:25.2%(今期EPS 87.2円で計算)
- 株主優待:なし
業績に記載したように、売上、利益は毎期上下し赤字の年もありますが、配当は安定しています。過去履歴の見れる2013年からですが、減配は一度もなく同額または少しずつ増配しています。
また、ENEOSの会社HPにも「株主還元の考え方」として、現状を下回らない配当水準とすると記載されていますし、このあたりは高配当銘柄への投資という意味で、安心材料となります。
私の考えや持ち株について
単元が安く高配当銘柄を探してて行きついたのがこの銘柄。試しに11月に450円で100株。その後、NISA枠の余りで12月の終わりに429円で100株追加購入しました。現状はやや含み益です。
石油価格や資源価格の高騰により、業績が好調ということに注目されがちですが、ENEOSは業績が悪いときでも配当は安定してします。配当狙いでこの銘柄を購入しているため、多少の業績の上下は気にせず配当をもらい続けることができると思いますので、今後は安くなったタイミングで買い増ししていきたいなと思いました。
あと、ENEOSといえばガソリンスタンドのイメージで、現状はそのイメージ通り石油関連がメインの会社ですが、決算資料には再生可能エネルギー事業を育成すべく事業ポートフォリオの変革を目指しているようです。この事業ポートフォリオの転換はまだまだ先の話ですが着実に進めているようです。ENEOSの大きな課題だと思いますので、チェックしていきたいです。
それでは、また。
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